推薦文 #02


クラシックギタリスト 斎藤明子

1967年東京に生まれ、4歳よりギターを始める。
慶應義塾中等部、女子高等学校卒業。在学中、15才でデビューリサイタルを開催し、翌年スペイン音楽を学ぶため1年間スペインに留学。スイス政府支給の留学金を得てバーゼル音楽院に学び演奏家資格を取得。その間ヨーロッパ各地で音楽体験を積む。第2回スペインギター音楽コンクール第1位、第30回東京国際ギターコンクール第1位、1989年ミュンヘン国際音楽コンクールギター部門ファイナリストとなり奨学金を授与されるほか、国内外の数々のコンクールで優勝・入賞。アイルランド、ギリシャ、ウィーン、ニューヨークなどでリサイタルを行ない、国際的な評価を得る。
1992年に帰国。独奏、オーケストラとの共演、室内楽演奏、ラジオ、テレビ番組への出演などで活動するほか、ソニーミュージックから3枚のCDを発表。
2015年より日本ジュニア・ギター教育協会会長に就任し、プロを目指す子どもたちのサポートに努めている。

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【「プロへの最短距離」を誇る水野式ベース道場。そこに隠されたものはなんでしょう。】

とかく高い技術さえ身につけばプロになれると考えられがちですが、実際にステージに立つために必要なものは「充実した個」。それ以外の何ものでもありません。

子どもたちは学校同様、演奏においても「知っておかなければならないこと、やらなければいけないこと、覚えなければいけないことを自分の外に探し、それを自分に取り込むこと」がプロへの最短距離だと思い込んでいます。しかし実際にステージ上でしなければならないことは、そういった自分の外からの知識を全て忘れ、心の底からの自分の声に耳を傾けることができる強さです。

水野先生は、生徒それぞれの「個」から目を離しません。そしてそれを大きくしていくために考えられた、理論や技術を教えて下さいます。レッスンを受けている段階では気付きにくいものですが、個を発揮するための理論や技術と、音楽の表面を整えるために考えられた知識や技術は、全く別のものです。次元が違う、と言っても良いでしょう。

水野先生に鍛えていただいている息子は、度々電話をかけてきては「今日のレッスンは良かったあ~!」と報告してきます。心の底から満足した声です。それを聞くだけで、レッスンが息子の「個」を様々な障害から解放し、次のステップに引き上げたことがわかるのです。

その息子がバッハの作品をエレキベースで演奏したいと言ってきました。私は、クラシックはエネルギーがジャズとは違った規則で動くことと、バッハのかっこよさがどこにあるのかだけを説明しました。すると息子は「おー!おもしれ~!」と言いながらあっという間にバッハと一体になっていきました。作品と奏者の「個」の自立協働です。

その瞬間、私は息子の様子からさかのぼって、水野先生の息子へのまなざしや、先生が音楽に向かう姿をはっきりと見て取ることができました。そこに「これこそが音楽である」という真実が見え、その美しさに喜びが溢れました。
ジャンルや楽器が違っても、どんな「個」にでも繋がっていけるテクニックや視点を教えられる音楽家は滅多にいないのです。

息子はまだ楽器を始めて間もないですが、すでに音楽の中にある本当の喜びを感じることができます。これから先の長い道のりを、その喜びとともに成長していけるのです。
指導の方向が少しでも「個」の存在から的を外れたら、こうはいきません。

水野式道場が「プロへの最短距離」を誇る理由はそこにあるのです。